特別方式の遺言「船舶隔絶地遺言」 

遺言には、普通方式が3種類(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)と特別方式が2種類(危急時遺言・隔絶地遺言)あります。
危急時遺言とは、死期が迫り普通方式の遺言が出来ない場合に、遺言者が口頭で遺言をし、証人がそれを書面化する遺言方式で、一般臨終時遺言と難船臨終遺言があります。
隔絶地遺言とは、遺言者が船舶中にいたり、伝染病の為に隔離されていたりして、一般社会との交通が断たれた場所にいて、普通方式の遺言が出来ない場合の遺言方式で、①一般隔絶地遺言と②船舶隔絶地遺言があります。
①の遺言は、 伝染病隔離者遺言(民法977条)とも呼ばれていて、警察官1人と1人以上の証人の立ち会いのもとで、遺言書を作成します。
②の遺言は、航海している船に乗っている人が作成する遺言で、船長または船の事務員1人と、証人2人以上の立会いのもと遺言を作成します。
難船臨終遺言と違い、遺言者に死亡の危急に迫っている必要はなく、遺言者が冷静な状態で遺言を作成できるため、家庭裁判所の確認は必要ありません。
航海している船であれば、航海中でも港に停船していても構いませんが、河川船の乗員や飛行機の乗客は、この方式で遺言の作成はできません。
飛行機に乗っている方は,船舶に乗っている方と違って短時間で空港に着くので、この方式の遺言は作成できません。
どうしても、河川船や飛行機の中で遺言を残す必要がある場合は,自筆証書遺言か一般危急時遺言になります。

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